科学の教育について考える 9
自然科学者はこの分野の研究を通して集められた統計データ、定量的情報、記述的分析、解釈仮説などの価値を否定はしないでしょう。
それにも関わらず自然科学者は、これらが科学技術の、あるいは社会一般に関する深い理論に結実しないと主張する十分の理由があります。
自然科学者の経験によると、まだ完全には試され、証明されていない理論の骨組みもある科目を押し付けるよりも、その科目を経験的あるいは現象論的に教える方が危険が少ないのです。
白然科学者は学問の自由と多様性の名において、STS教育を、古い哲学的方法の素朴な合理主義、実証主義にも劣るパラダイムしか持たない社会学の鋳型にはめるのは誤っていると論じるかもしれません。
社会学的アプローチのこの危険性を軽々しく扱ってはなりません。
残念なことに、この世界はエネルギーと人口の危機、資源の枯渇、環境汚染、飢きん、疾病、そして戦争のきざしなどの問題にみちみちています。
『成長の限界』に関する論争で、〔人類に未来はないとする〕最後の審判派に属していないにしても・・・
わたしたちは諾問題を抱えた世界の、一見回復の見込みのない兆候を懸念しない訳にはいきません。